人生

ー概要

今回は「人生」というテーマを中心に、人生とは何なのかを掘り下げてみたいと思います。人生の定義は、実に曖昧です。「人生いくつあっても足りない」「人生山あり谷あり」といったように、人生に関する諺や言い回しは多く存在します。しかし、人生というテーマを深く論考したことはないでしょう。

人生には、実に多くの出来事があります。結婚や出産などのめでたいイベントから、事故や死別など悲しい経験、投資や開業などライフスタイルの変化、ありとあらゆる出来事が貴方を待っています。結婚の場合、愛するパートナーと一緒になれたという嬉しさでいっぱいです。これを「幸せ」と定義する人もいます。逆に、親や身内の死は、その人にとって悲しい経験。これを「不幸」と定義する人もいます。

幸せと不幸は、不可分の存在です。幸せが舞い込むことは、その人にとっての人生をより豊かにしてくれるありがたい存在。受験に合格した、パートナーと結婚できた、何かの賞で1位になれた等…。どんなにささやかな幸せでも、1つ2つ重なればその人にとっての人生はこの上なくハッピーでしょう。

しかし、物事には停滞期というものが存在します。どんなにうまく事が運んでも、思わぬところで足止めを喰らってしまうことは往々にして見られるケースです。自分を幸せにしてくれる人生なんてありません。幸せは自分で掴みにいくものです。

何もしていないのに幸せがポンポン舞い込んできたら、それは「幸せの連鎖」とも取れ、最高に嬉しいでしょう。しかし、幸せは不可抗力的に舞い込むことはありません。自分で掴むものなんです。人生をより良くする努力…といえば聞こえがいいですが、私はこの定義は間違っていると思います。

ー努力を目的化するな

人生を豊かにする、あるいは良くする努力ってそもそもなんでしょう?お金を増やす努力ですか?それとも人とのつながりを大切にする努力ですか?“人生は努力で変えるもの″  この言葉は一見それっぽいように感じますが、私はむしろ真逆です。

人生は努力するものではないんです。いや、正確にいえば、努力を目的化するのは間違っている…と伝えたいのです。人生は比べるものではないと思っています。神様から与えられた生命。その長い生命を全うするのに必要な″人生″というものを、神様は与えてくださっているんです。

予測が難しいこの社会では、生きることも難しい。中には自殺や逃避行に走ってしまう人もいます。この予測不可能な社会に対応するためには、ある程度の生存能力は必要でしょう。

ここでいう「生存」とは、「人生を全うするまでの期間を生きる」こと。では人生を全うするためには、何が必要なのか。そこには努力というプロセスを挟む必要もあるでしょう。しかし努力することを目的にしてはいけません。人生を歩んでいくうちに、自分の目標も自然と定まってくるはずなのです。

例えば、努力を目的化した場合、1番陥りやすいのが「ルサンチマン」です。そういう人は自分を高くアピールすることで他者と比較する傾向があります。しかし上には上がいる。もし自分より優れた人がいれば、それを追い越そうとさらに努力します。

しかしその努力は、言い換えれば「終わりのない線路」同然なのです。本当に完璧な人なんて、この世にいません。上を目指すばかり、自分の好きなことややりたいことに時間がとれず、そのまま泥沼化した目的とともに酔生夢死の一生を遂げることになってしまうのです。それでは人生もったいないですよね?だからこそ、他者と比較する行為は人生をダメにしてしまう、むしろ禁じ手なんです。

また、現代は「新しいことの連続」です。例えば、法律の内容は3分の2以上の議決ですぐに変わってしまいますし、最近ではレディースデイという映画のサービスも廃止されましたね。このように、時代はめまぐるしく変わっていきます。こうしたイレギュラーな変化に対応するために、人は新しいことに慣れていく必要があるんです。

ーやりたいことに人生を使おう

人生とは、新しいことの連続。そこには、目的化した努力など意味をなさない。むしろ過去の努力が水の泡になってしまうケースもあります。また、自分のやりたいこともできなくなってしまいます。常に上を目指す努力を欠かさない人は、言い換えれば向上心があるということ。それは素晴らしいです。

ですが、今は変化が激しい時代。最新鋭と呼ばれたコンピューターも、時代の流れとともに埋もれていきます。上を目指すばかり常に身構えたように努力をしていると、自分のやりたいことやしたいことの目的も見失ってしまいます。

「自分はこうするぞ!」という気負いや、「人の役に立ちたい」という意欲を持つことはいいと思います。ただそれを″努力″という一言で目的化してほしくないんです。時間は有限です。努力を目的化するあまり、本来の自分のやりたいことや理想から遠のいてしまうケースだけは避けたいものですね。